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「行くよー」
間延びした声で私が声を掛ければ、対するシチロージは渋い顔をしながら「……おう」と答えた。刀に手を添え、いつでも抜ける様に構える。
「…よっ」
手に持った物――大福をヒョイと投げる。(食べ物で遊んではいけません)
放物線を描いて宙を舞ったそれは、狙い違わずシチロージの斜め上へ。
「はっ!」
気合い一閃。
スパンッと音がしそうな程、大福は綺麗に真っ二つ。それは数秒空中に静止した後、シチロージが刀を納めると同時に落下した。
一つは机の上にあった皿の上にポトリと落ちて。
もう一つは皿に嫌われボトリと床に。
「「…………」」
無言でガン見したあと、それを両方手に取る。
「…………カンベ――」
「いらん!!」
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お粗末さまでしたm(_ _)m。
バトンでのお題より『はんぶんこ』でした。
すみません、お目汚し失礼します。
”はんぶんこ”と聞いた時二種類浮かんだのですが、簡単に終わりそうなこちらにしました。もう一つはなんだか重そうな内容でしたので…。
一応は大戦中のお話。シチは槍以外も使えるよね!と言う事で包丁代わり(笑)。綺麗に真っ二つです。カンベエさんはそれを横で見てました(止めろよ)。
これにてお題終了とさせて頂きます。
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「そう言わないでさ、ほら美味しそう」
「そう言って差し出すのは床に落ちた物か?」
「やだなぁ落ちてないって」
大福を持ちながら器用にひらひらと手を振れば、カンベエは更に眉を寄せる。
「いずれにせよ儂は要らぬ。シチと分ければよかろう」
「折角の私の好意を!」
「どこがだ」
「元々大福は二個しか無かったのを両方割って、その内二つ分をカンベエにやろうってんだよ?」
「……それが?」
「私とシチロージは1/2づつ。カンベエは丸々一個分。ほら、カンベエの方が得してる」
「…………ならば切らずともそのまま一個を渡せば」という言葉を、カンベエはギリギリ飲み込んだ。
「さあさ、食べた食べた!」
笑顔で詰め寄れば、ようやく観念したのかカンベエは溜め息を吐いて手を伸ばす。が、
がぶり。
「……へ…?」
気がついた時には、差し出していた方とは違う腕を取られて、その大福が食われていた。
持っていた私の指ごと。
「Σぅおわ!!?」
「旨いな」
「"旨い"わけあるかボケェッ!!しかもそっち(落ちてない方)!?」
「黒いものが付着したものなど食えるか」
「今びっくりして落としたじゃん!余計にゴミが…っつーか指を舐めるな!」
「捨てれば良かろう。これで別け分は均等だ」
「あのねぇ…!!」
「お二方、そう言う事は二人きりの時にやって頂けます?アタシの存在忘れてるでしょう」
「シチロージか、すまん」
「ちょっ…!今のは不可抗力だっ……てコラシチ!今食ってんのって――」
「残りの大福」
「返せえええ!!!」
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お粗末ッ(‐人‐)
お題はこの『はんぶんこ』と『その声に騙されて』とがあったようですが、二つ目のお題はバトンをお答えになった方のものであると判断し、一つ目の物となりました。ご了承ください。